「バカな高専卒」でも「不良議員」でも音楽は聴きます。少し涼しくなって秋の気配が漂うようになったら「If you go away」という名曲を想い出しました。ぼくはScot Walkerの歌いっぷりが一番気に入っています。そもそもこの曲はシャンソンです。原題は「Ne me quitte pas」(私を捨てないで)という直截的なタイトルで、1959年、ジャック・ブレルが作曲しました。
ジャック・ブレル(Jacques Romain Georges Brel、1929年4月8日-1978年10月9日)は、ベルギーで生まれフランスで成功したシャンソン歌手、作詞作曲家、またその作詞の素晴らしさから詩人とも評された人物。英語圏においてもその詩は数多く翻訳され知られている。またフランス語圏では俳優および映画監督としても有名である。(Wikipedia)
歌詞が英訳されるときに「If you go away」(行かないで)と翻訳されてしまったわけです。名曲だけに、ブレル本人は勿論、フランク・シナトラ、ダスティ・スプリングフィールド、レイ・チャールズ、などなど数え切れぬほど一流の歌手が様々に歌いこなしています。ブレルの詩も良い。Sweet Carolineのニール・ダイアモンドのような歌手まで歌っている。
さてScot Walkerですが、1944年にアメリカで生まれています。1965年にイギリスへ渡りWalker Brothersを結成して人気を呼びます。当時ラジオから流れる「太陽はもう輝かない」という曲を好んで聞いた憶えがありますが、1967年に突然ガス自殺を図ったようです。未遂に終わりました。「その後、暗く内省的なソロ」を発表し始めます。詳しい人によると、Scott,Scott2,Scott3,Scott4のアルバムを発表後、また消息を絶ち、1987年に「Crimate of hunter」を発表、また数年間の沈黙に入り、1995年にまたアルバムを出したらしい。
彼が「If you go away」をレコーディングしたのは英語版WikipediaによるとScott3で「Scott 3 is the third solo album by singer songwriter Scott Walker. Upon release in 1969」即ち25才の時。自殺未遂から2年後、ぼくが17才の時です。そうだ、その頃だ。とても25才の若造とは思えぬ精神性の高いしっとりとした歌いっぷりで愛聴していました。
ぼくは歌手の世界など皆目見当がつきませんが、何年か活動して何年か休み、また活動するという営みが可能な為には、「その才能を愛する」人々が背後に沢山いなければ無理だとは思います。日本で当座思い当たるのは故高田渡か。書庫に氏の著「バーボン・ストリート・ブルース」がありますが、誰もあからさまには言わないものの氏は全くのアル中で、本人曰く「入退院の繰り返しで、入院代を稼ぐために演奏活動をしているようなものだ」。2005年に56才で亡くなっています。ここではこれ以上高田氏には触れません。
Scott walkerは一部の人々にMusician、s Musician と呼ばれていることも知りました。Musicianにとってのセンセイというわけで、David BowyeやU2などが影響を受けているようです。そしてScottは「If you go away」の本家、ジャック・ブレルを愛し、敬しているようです。敬し、そして敬される。
If you go away、という言葉は、男女の間ばかりで発せられる言葉ではない。You tubeにはマタイの福音書を引用しながらジーザス・クライストに向けてScottの曲をBGMに投稿している人もいました。「もしも、あなたがいなくなってしまったら、、、」繰り返しますが名曲です。